※土・日・祝日診察
診療時間:9:00~12:00 / 14:00~19:00
休診日 :火曜日
不妊手術を行うことで、子宮・卵巣・精巣等の生殖器の病気の発生を防ぐだけでなく、性ホルモンの影響で発生する乳腺腫瘍・前立腺肥大・会陰ヘルニア等の病気の発生を劇的に減少させることが出来ます。
また、発情に伴うストレスを低減し、精神的に安定した穏やかな状態で一生を過ごすことが出来るようになります。
手術は完全予約制となっていますので、予め、お電話等でご相談ください。
新陳代謝の低下により太りやすくなりますが、手術直後から適切な食事管理を行ことで予防可能です。
麻酔技術の進歩等により、犬猫では生後2か月、体重で1kg前後に達していれば、概ね手術は可能です。ですが、特別な事情がない限り、初回の発情が来る前の生後6か月前後で行うことをお勧めしています。
小型犬では、乳歯遺残が多く認められるため、永久歯への生え変わりの終了時期である生後7か月を待って、不妊手術を行い、乳歯遺残がある場合は、同時に乳歯の抜歯を行うことをお勧めしています。
雌では、発情中は、子宮と卵巣の血管が平常時よりも発達しており、手術時の出血が多くなる傾向があります。
また、犬では発情終了から1か月以内に手術を行った場合には、体内のホルモンバランスが出産後と同様の状態になり、乳汁分泌が始まることがあります。これらのことから、発情中から発情後1か月以内は、避妊手術を避けることをお勧めしています。
ワクチン接種は、個々の動物を感染症から守るためだけではなく、集団で感染症に対する免疫を獲得することで、地域の感染症の蔓延を防ぐという役割を持ちます。
■狂犬病予防接種
狂犬病は、ヒトを含めた哺乳動物全般に感染する致死率約100%の感染症です。
狂犬病予防法による飼育犬への予防接種の徹底により、日本国内では1957年のヒトと犬の発生を最後に感染は確認されていません。しかし、ヒト・犬・野生動物での感染は、世界中で常時確認されています。
海外からのエキゾチックペットの輸入増加や海外の船舶に乗船してきた犬の無検疫での上陸等の問題から、国内でもいつ再発生してもおかしくない状況と考えられています。
狂犬病予防法では、犬への年1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。
■混合ワクチン
犬・猫のワクチンで一般的な混合ワクチンは、複数の感染症を一度に予防できるようになっています。
ワクチンには、「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」2種類があります。
■コアワクチン:すべての動物に接種することが推奨されているワクチン
■ノンコアワクチン:個々の動物の感染リスクに応じて、接種を考慮するワクチン
犬 | 猫 | |
コアワクチン | 狂犬病ウイルス 犬パルボウイルス 犬ジステンパーウイルス 犬アデノウイルスⅡ型 |
猫パルボウイルス 猫ヘルペスウイルスⅠ型 猫カリシウイルス |
ノンコアワクチン | 犬パラインフルエンザウイルス 犬コロナウイルス レプトスピラ |
猫白血病ウイルス 猫免疫不全ウイルス 猫クラミジア |
■犬のワクチン
ワクチン製造時に使用される牛血清アルブミン(BSA)の残留や安定化剤として使用されているゼラチンがワクチンアレルギーの原因になっていることが証明されています。当院では、これらの異種タンパクに使用を低減したワクチンを採用しています。
■猫のワクチン
猫では、ワクチンに含まれるアジュバント(免疫増強剤)が「注射部位肉腫」の原因の一つと考えられています。当院で採用している猫の3種混合ワクチは、アジュバント不使用の生ワクチンです。
フィラリア症は、蚊が媒介する寄生虫症です。
犬の心臓に寄生する寄生虫として知られていますが、猫とフェレットにも感染します。
猫では、フィラリアの仔虫が体内に侵入すると、ほとんどの場合、心臓に達する前に肺で死に絶えますが、死んだ仔虫は肺に炎症を引き起こし、咳や呼吸困難の原因となり、また、突然死を引き起こすことがあります。10~20%の猫に感染が認められるとの報告もあります。
犬のフィラリア症は、予防が普及し、過去の病気と考えられているかもしれませんが、当院でのフィラリア抗原検査では、2年に1頭程度の発生が認められ、重篤な感染による腹水貯留から死亡した例も経験しています。
定期的な予防薬の投与で確実に感染を防ぐことができます。
ネコノミは、猫だけでなく、ヒトや犬にも感染します。一旦、室内に持ち込んでしまうと、ノミの卵や幼虫が、すぐにカーペットなどに侵入し、新たな発生源となります。
動物の体に寄生するだけでなく、ヒトの服や靴に付着して持ち込まれることがあり、マンションの高層階に住み、完全室内飼育の猫に大量にノミが寄生していた例を経験しています。
マダニは以前から、貧血を起こす感染症(犬のバベシア症・猫のヘモプラズマ症)を媒介することで問題視されていました。
近年では重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を媒介することが問題視されています。SFTSウイルスを保有しているマダニは、すでに全国で確認されています。感染するのはヒトだけではなく、このウイルスの感染・発症は、犬と猫でも報告されています。
これまでは、伴侶動物からの感染は、寄生したSFTSウイルス保有マダニに直接咬まれて起こる経路のみと思われていました。しかしながら、野良猫に咬まれて感染した例と、感染した飼い犬の介護をしていて感染した例が報告され、哺乳動物からヒトへの直接感染による感染拡大が懸念されるようになりました。
これらの事実を踏まえ、厚生労働省は、伴侶動物へのマダニ駆除剤の使用を推奨しています。